2019年4月11日 第15号

 サスカチワン州フンボルトのジュニア・ホッケーチームのメンバーが乗ったバスが、一時停止を怠ったセミ・トレーラートラックと交差点で衝突、16人が死亡13人がけがを負った事故から、6日で1年がたった。

 先週末にはカナダ各地で追悼イベントが開催されたが、事故で重体となった翌日に臓器提供を行った選手ローガン・ブレさんの追悼と臓器移植の啓もうのため、7日が『グリーン・シャツ・デー』と定められ、多くの人が緑色のシャツを着た。

 グリーン・シャツ・デーの公式ツイッターは7日、「2018年4月7日、フンボルト・ブロンコスのローガン・ブレさんは6人の命を救い、カナダ人に臓器提供登録を促した」とツイート。さらに緑のシャツを着て、臓器提供登録を行うことを呼び掛けていた。また多くのフォロワーがこれに応え、緑色のシャツを着た自撮り画像をいくつも投稿していた。

 事後現場から搬送された病院で、回復の見込みはないことを告げられたブレさんの母親の心の中に浮かんだ思いは、息子の臓器を提供することだった。ブレさんは事故が起こる5週間前、21歳の誕生日に臓器提供の登録をしたばかりだった。

 ブレさんの臓器提供によって6人の命が助かったことは事故後間もなく明らかにされ、このことに触発された人々がこぞって臓器提供の登録を行った。その数は20万人を超え『ローガン・ブレ効果』とまで呼ばれた。

 彼が臓器提供に関心を持つようになったのは、彼の人生の指導者でもあったフィットネス・トレーナーのリック・サギットさんが、臓器提供者となったことだった。ブレさんは父親に対し、リックが6人の命を救えるのだったら、自分も6人救えるはずだと語っていたという。父親はいずれ、ブレさんの臓器提供を受けた人々に会いに行くつもりでいる。そのためには1年間は待たなければならない。

 

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