2019年3月14日 第11号

 ノバスコシア州の湖で、風で吹き寄せられ盛り上がった氷塊が壁のようになり、話題を呼んでいる。

 場所は同州ケープ・ブレトン島中央にあるブラドール湖に面した町アイリッシュ・ベールの近く。湖岸に沿ってかなりの距離で氷の塊が積み重なり壁のようになり、また太陽の光を反射させ輝く様子が、特に来月から最終章の放映が始まる人気TVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の重要な場所である『壁』を彷彿させることから、人気が高まっている。

 この景色を一目見ようと同州各地から人が訪れているが、自撮りのために滑りやすさを顧みないで壁に上って撮影する人があとを絶たない。しかしこれは非常に危険であると、地元のボランティアを勤める消防所長のジョン・プロンクさんは取材に語っている。また地元のカナダ連邦警察(RCMP)も、春が近づき気温が上昇することもあり、積み重なっている氷塊が不安定になる可能性を指摘している。

 しかし壁を目の当たりにした人たちは、「見にきた甲斐があった」と感動し、とりあえずしっかり凍っているなら大丈夫だろうという感覚で、壁に上り続けている。

 また町の議員は、観光客が道端に延々と路上駐車することによる危険性も懸念している。湖岸を走る道路は同島の主要道で、大型トラックも頻繁に往き来している。実際に何件か、事故の一歩手前という事態も起こったという。

 

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