2019年3月14日 第11号

 ジャスティン・トルドー首相は7日、SNCラバラン社スキャンダルの一部を認めるも、自身や首相事務所の対応に違法性はないという認識を示した。

 スキャンダルが発覚して約1カ月。これまで別件での記者会見では見解を示してきたものの、この件についての公式記者会見はこれが初めて。首相は、対応としてまずい部分があり、前法務相との見解の違いがあったが、違法性はなく、間違ったことはしていないと語り、謝罪の言葉はなかった。

 前日には前第一個人秘書官ジェラルド・バッツ氏が下院司法委員会で証言。2月27日に同委員会で証言したジョディー・ウィルソンレイボールド前法務相兼司法長官の発言内容に食い違いあることを主張した。

 注目されたのは、バッツ氏がSNCラバランの司法取引の件についてウィルソンレイボールド前法務相が司法長官として応じないという決定をしたと聞いたのは2月27日の委員会での証言で始めてだったと証言したこと。雇用や経済的な影響を踏まえてまだ前司法長官が意見を聞く機会が必要と思っていたため、説得していたと語った。

 もう一点、注目されたのは、ウィルソンレイボールド前法務相が内閣改造で法務相から復員軍人大臣兼国防副大臣へと異動となった経緯を語ったこと。前法務相が同委員会で証言をする条件として、SNCラバラン案件以外については証言してしてはいけないという制限があったにもかかわらず、バッツ氏は内閣改造の経緯や前法相が復員軍人相について辞任するまでの経緯を自由に発言できたことが、不公平な印象を国民に与えた。

 さらに、司法取引でSNCラバラン社の賄賂事件を不起訴にする理由をバッツ氏は9千人の雇用を守るためと主張したが、9千人の雇用が守られるか確固たる根拠がなかったことも明らかになった。

 野党は、バッツ氏が制限なく自由に証言できたのに対して、ウィルソンレイボールド前法務相に制限があったことは不公平として、もう一度前法務相の出席を要請した。13日に同委員会でウィルソンレイボールド前法務相の再度証言を認めるか話し合われる。前法務相は再度の出席に前向きな発言をしている。

 この件については、トルドー首相が記者会見で一連の前法相への圧力に対して謝罪すれば、今後に引きずることはなかったと多くの専門家が対応の甘さを批判している。

 SNCラバラン社は、ケベック州モントリオールに本社を置くカナダの大手建設会社。2001年から11年にかけてリビア政権に政府事業受注のために4億5千万ドルの賄賂を贈ったとして2015年にカナダで訴追されている。

 11日には経済協力開発機構(OECD)が今回の件に関して懸念を示した。OECD加盟国は、外国公務員への贈賄を抑止・防止するためにOECDが1999年に発効した「OECD贈賄防止条約」に署名している。カナダも加盟国であり、SNCラバランがリビア高官への贈賄罪で問われる裁判にトルドー首相事務所が介入している疑いを非常に懸念していると声明を発表。今後の司法委員会などの動向を注視していると声明を発表している。

 

 

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