2019年3月14日 第11号

 新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は12日、ケベック州モントリオールでケベック州民との「関係再構築」に向けてケベックに特化した選挙戦を展開することを発表、副首相に任命した同党ケベック州選出アレキサンダー・ボレリス議員がその役目を担うと発表した。

 NDPは支持率の低下や資金調達に苦戦するなど、今年10月の選挙に向け厳しい状況が続いている。さらに、これまで党を支えてきたベテラン議員が相次いで引退を発表。シング党首の下で新たな候補者探しからしなければならない状況で、最も厳しいのがケベック州だ。

 そのケベック州での挽回を目指して、今回ボレリス議員をケベック州特命議員に任命しケベック州民の関心の高い事項に特化した選挙戦対策を推進していくという。その中には候補者選びも含まれている。

 カナダではケベック州を制した党が政権を奪取できる確率が高く、選挙戦では常に重要視されている。現在自由党ジャスティン・トルドー首相を襲っているSNCラバラン社スキャンダルも根底にはケベック州の票を獲得したい自由党の思惑がある。

 NDPは現在支持率では、自由党、保守党、ケベック連合党に次いで4番目と低く、現在の支持率のままでは現職議員の選挙区で一人も当選しない可能性もあるという。

 ボレリス議員は「ケベック州でのNDPの現状は我々が望んでいる状況とは違っている」と語り、環境問題などトルドー政権との政策の違いを明確にしてケベック州民に訴えていくと語った。

 

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