2019年3月7日 第10号
ジャスティン・トルドー首相は3月1日、2月12日に辞任したジョディー・ウィルソンレイボールド前復員軍人大臣兼国防副大臣の後任人事のための小規模内閣改造を実施した。前回1月の改造から6週間で2回目の内閣改造となる。
復員軍人大臣兼国防副大臣に就任したのは、ローレンス・マコーレー前農務・農産食品大臣。2015年11月にトルドー政権が発足して以降、復員軍人相はこれで5人目。農務相にはマリークロード・ビボー前国際開発大臣が就任、国際開発大臣はマリアム・モンセフ女性の地位大臣が兼務する。今回の内閣改造で新しく閣僚入りした議員はなく閣僚の異動のみとなった。意図的に新しく閣僚入りさせることは避けたとみられている。
今回の人事はウィルソンレイボールド前復員軍人相の辞任によるものだが、辞任の背景にはSNCラバランスキャンダルがあったと2月27日の下院司法委員会で本人が証言したばかり。今年1月14日の内閣改造まで法務相兼司法長官を務めていたウィルソンレイボールド氏は、トルドー首相や側近の圧力にも屈せず大手建設会社SNCラバランへの司法取引による不起訴処分を拒否したため、復員軍人相へ異動。事実上の「降格」処分となった。
トルドー首相は「降格」人事を否定。スコット・ブライソン前予算庁長官が突然の辞任を昨年12月に発表しなければ、内閣改造はなくウィルソンレイボールド議員も法務相のままだったと説明している。