2019年2月28日 第9号
連邦補欠選挙で注目されたのは、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首の当落やケベック州選挙区での自由党だけではない。昨年保守党から離党したマキシム・ベニエ議員が新しく立ち上げたカナダ国民党がどこまで票を伸ばすかにも注目が集まった。
カナダ国民党の立ち位置は、保守党よりも右寄りで、保守党の政策では物足りない右派をターゲットとしている。今回の補欠選挙で保守党とどこまで票を取り合うかが注目されたが、西と東では大きく分かれた。
カナダ国民党が躍進したのは意外にもブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー・サウス選挙区。当選したNDPシング党首(39パーセント)、2位自由党(26パーセント)、3位保守党(23パーセント)に続いて4位だったものの10・6パーセントの票を獲得した。ここでは明らかに保守党と票が割れた形となった。
一方で、票が割れるのではないかと予想されていたオンタリオ州ヨーク-シムコ選挙区では、圧勝した保守党54パーセントに対して、カナダ国民党は1・9パーセントと、ほとんど票を集められなかった。ケベック州ウートレモントでは2・1パーセントで6党の中で最低だった。
今回の結果が10月の総選挙にどう影響してくるかは未定だが、BC州で躍進したことは驚きを持って受け取られた。