2019年2月14日 第7号
オンタリオ州警察は11日、人身売買組織を摘発、劣悪環境での労働を強いられていた外国人43人を解放したと発表した。
被害者はメキシコ生まれで、男性がほとんどだった。カナダ国内での労働ビザと、永住権を保証されるという話に、高額の前金を払ってカナダに連れてこられたという。
彼らは同州南部、シムコー湖に面する人口約12万5千人のバリー市や、そこからほど近い、ジョージアン湾南岸の保養地ワサガ・ビーチの劣悪な環境の中で住まわされていた。ひどい時には月50ドルの生活費しか支給されないこともあった。
「人身売買は、現代の奴隷制度だ」と警察は指摘、搾取の容疑で捜査を進めていると話している。
外国人の年齢は20歳から46歳で、バリー市にある清掃会社の従業員として、近隣のホテルや別荘の清掃を行っていた。住居から清掃現場まではバスなどに乗せられて行き来していたが、その交通費も払わされていた。
警察が彼らを解放した際、その一人は「昨晩ベッドに入った時は奴隷の身だったが、起きたら自由の身になっていた」と語っていたという。この地域でこれほど大規模な人身売買組織の活動が見つかったのは初めてだと、警察はコメントしている。摘発は12件の令状に基づき5日に開始された。保護された43人にはシャワーや食事のほか、新しい衣類が提供された。また全員に新たな生活場所のほか、合法的な仕事が提供された。
「誰かが助けを必要としている時、それに応えるとともに、コミュニティで起きている犯罪に立ち向かっていく、それがカナダ人だ」と、バリー市警察のキンバリー・グリーンウッド署長は語っていた。