2019年2月7日 第6号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドに、カナダ初となる仮想現実(VR)ゲームセンターがオープンした。

 仮想現実用ゴーグルとヘッドフォーンを頭部に装着、手足にはセンサーを付け、また襲われたり撃たれた時の衝撃を体に伝えるリュックを背負い、黄緑色一色に塗られた部屋に入り、部屋全体に仮想空間が映し出されればゲームスタートとなる。この世とは完全に異なった世界にいるのは、まったく違ったコスチュームに身を包んだ自分と、一緒にゲームを楽しみに来た友人たち。

 取材のために地元紙の記者がゾンビと戦うゲームを体験したものの、迫りくるゾンビの恐怖感があまりにリアル過ぎ、ゲームを中断せざるを得なかったと報告している。センターのマネジャー、イアン・チャンさんによると、ゲームは1セット30分だが、この記者と同じように途中でゲームをストップする人も多いという。「仮想現実は次世代型映画館になると、私たちは考えている」とチャンさん。これまでの映画館のようにただ座って見たり、画面に向かってゲームをしたりするのではなく、自分がその中にいるような体験をするものだというわけだ。

 ゲームセンターではあるが、使っている機材は特撮映画で用いられているものと同じだと、チャンさん。各プレーヤーの体に付けられたセンサーにより、その動きはリアルタイムで解析され、ゴーグルを通して見えるプレーヤーたちの姿に、仮想現実のコスチュームや状況が重ね合わせられる。これにより、ゴーグルを通さなければ私服を着たままプレーしている友人が、あたかもゲームキャラクターとなってプレーしているかのように見えることになる。例えば誰かが撃たれた場合、他のプレーヤーからもこの人物が撃たれ負傷したように見え、また助けを求めていれば、その窮地に陥った状況がまざまざと目に飛び込んでくることになる。

 同ゲームセンターは2016年に香港で第一号店をオープンさせたのち、シンガポールのほかタイとアメリカにも進出している。今年中には北米に約20店舗を展開する予定で、カナダではトロントとカルガリーで、近いうちに開店するとのこと。

 現在は3つのゲームが選べるが、年末までにはさらに8つのゲームが追加される予定。また言語は英語と中国語(普通語と広東語)が用意されている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。