2019年2月7日 第6号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ナナイモ選挙区で1月30日に実施されたBC州補欠選挙は、新民主党(NDP)シーラ・マルコムソン氏が勝利した。
同日の投開票の結果は、NDPマルコムソン氏が49・22パーセント、次点は自由党候補のトニー・ハリス氏で40・47パーセント、次いでグリーン党ミッシェル・ネイ氏7・38パーセントだった。
連邦ナナイモ-レディスミス選挙区のNDP議員だったマルコムソン氏は、今回の補欠選挙出馬のために連邦議員を辞職して臨んだ。当選確実となった同日夜遅くに同州ジョン・ホーガン州首相が同席する壇上で勝利宣言したマルコムソン氏は、今回の勝利は「ナナイモにとっての勝利」と語り、支持者、ボランティア、有権者に感謝の意を述べた。
BC州議会員としての第1歩を踏み出したマルコムソン氏は「これからまだまだやるべきことがたくさんある」と語り、NDPが政策として掲げる、環境問題、特にオイルサンドパイプライン事業により増加が予想されるタンカー航行による海洋汚染の阻止や、チャイルドケアの改善・充実などを強調した。
BC州のナナイモ選挙区は、昨年10月の地方選挙で元BCNDP議員だったレオナルド・クログ氏がナナイモ市長に当選し辞職したために空席となっていた。
通常ならそれほど注目を浴びる選挙ではないが、今回はBC州議会の勢力図が変わる可能性がある選挙だったため、BC州だけではなく全国的に注目されていた。
選挙前の議席数は与党NDP40、NDPと協力関係にあるグリーン党3で合わせて43、野党自由党が42となっていた。もしNDPが負けて自由党が勝利していれば与党NDP・グリーンで43、自由党43で同数となる。
NDPとしては与党の過半数を維持するために何としても勝利する必要があり、自由党は勝利して早期選挙へと持っていきたいというお互いに譲れない一戦だった。
結果はNDPの勝利で議席数はこれまで通りということになった。しかし、グリーン党が擁立したネイ氏の得票率が7パーセント台と低かったため、グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首はNDPの法案成立の実現にグリーン党の貢献が周知されていないとの危機感から、今後は独自色を強めていく必要があると選挙後に語った。
NDPとグリーンは連立としての与党体制ではなく、あくまでも自由党から政権を奪取するために組まれた協力関係にある。今後、全ての法案においてグリーン党の協力が得られなければNDPは議会で厳しい舵取りを迫られることになる。
一方自由党は、選挙には負けたもののNDPが強いナナイモ選挙区で若いビジネスマンを擁立して40パーセントの得票率と健闘したことで、次の選挙に向けての道筋が見えたとアンドリュー・ウィルキンソン党首は今回の選挙結果に一定の評価をした。