2019年2月7日 第6号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーのサレー市で1月30日、公共交通機関のスカイトレインの駅のプラットホームで警察官が撃たれ、重傷を負った。

 事件が起こったのはエキスポ・ラインのスコットロード駅で、午後4時ごろのことだった。メトロバンクーバー交通警察のジョッシュ・ハームス巡査(27歳)が男性に近づいたところ、男は突然銃を取り出しハームス巡査に向けて発砲した。同巡査は重傷を負い病院に搬送されたが、命に別状はないとのことで、同日遅くには退院した。今後専門医と、けがの治療方法について相談がなされる予定。

 同市ダグ・マッカラム市長は、ハームス巡査が退院できたことを聞き安心した、一日も早い完治を祈っているとのコメントを発表している。また今回のような事件で、警察官が常に危険と隣り合わせでコミュニティの安全のために勤務していることを、あらためて認識させられたと付け加えている。

 駅構内の防犯カメラに写った映像から、犯人は2010年に殺人事件を起こしていたデオン・グラスゴー容疑者(35歳)であると特定された。警察の大掛かりな捜査の末、グラスゴー容疑者は3日早朝、バーナビー市内のアパートで逮捕された。4世帯が入居していたアパートの他の住人は事前に避難させられ、またグラスゴー容疑者逮捕の際には3人が一時身柄を拘束されたものの、その後釈放されている。

 グラスゴー容疑者は2010年、今回の事件現場から2〜300メートルしか離れていないファーストフード店のトイレで、約5オンスの麻薬(ハッシシ)売買の価格をめぐって争いとなった挙句に相手を射殺し、逮捕されている。この件で2011年に9年の禁固刑と生涯武器の所持を禁止された同容疑者だったが、この時は犯した罪や被害者の残された家族に対する態度が真摯であると見なされ、更正の可能性があると判断されていた。

 しかし同容疑者はそれまでも、2005年には麻薬取締法違反で告訴されていたほか、2006年には武器の不法所持、2008年には売買目的の麻薬所持の罪で、さらに2009年には5千ドルを超える盗みでも告訴されていた。

 

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