2019年2月7日 第6号

 異常寒波など冬はまだまだ続くように思えるが、すでに2月。春はすぐそこまで来ているかも知れない。そんな春の到来時期を、北米の伝統的な手法で占うグラウンドホッグ・デーが2日、カナダ各地で行われた。これは巣穴から出てきたグラウンドホッグ(ジリスの一種)の行動で、春の到来時期を占うものだが、カナダ各地の有名リス気象予報士の予報は、実際のところまちまちだった。

 そのうちの一匹、オンタリオ州ワイアートンのウィリーがこの日巣から出てきた時、天気は曇りで自分の影を見られなかった。言い伝えでは、グラウンドホッグが自分の影を見られなかった場合、「春は近い」となる。

 ワイアートンが所属するブルース半島南部地区のジャニス・ジャクソン地区長はこの日、グラウンドホッグ・デーの式典でこの「予報」を発表した。また同会場には、ダグ・フォードオンタリオ州知事も駆け付けた。

 ちなみに北米で最も予報歴が長い米ペンシルバニア州パンクサトーニーのグラウンドホッグ、フィルの予報もウィリーと同じだった。

 一方、ノバスコシア州シュベナカディのグラウンドホッグ、サムは、夜明け直後に巣穴から出てきたあと、自分の影を見てまたねぐらに戻っていった。グラウンドホッグが影を見た場合は、今までと同じような寒い冬があと6週間続くという予報になる。

 サムが住んでいる自然動物公園ではこの30年ほど、グラウンドホッグ・デーのイベントを開催している。この公園で自然解説員のチーフを務めるタビサ・コックスさんによると、約200人がサムの「予報」を見ようと、早朝の森林に集まったという。

 気候学の専門家で『ナイアガラの滝が干上がった日(The Day Niagara Falls Ran Dry)』の著者デビッド・フィリスさんによると、過去40年間のカナダ13都市での天気データからは、2月2日が晴れたか曇ったかは半々だったという。さらに、この期間のグラウンドホッグによる予報の正答率は、37パーセントだったことを指摘している。

 しかしコックスさんは、クリスマスと正月が終わり、イースターまではまだ間があるこの時期、楽しみが少ない冬に楽しめるイベントとして、この年中行事を盛り立てていくべきだと取材に話していた。

 

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