2019年1月31日 第5号

 総選挙の年となる2019年の国会が28日に開会した。連邦議員が議論をかわすオタワの本会議場は現在、大規模な建て替え工事が行われているため、臨時に建てられたこれまでとは異なる会議場で開かれた。中には迷子にならないように早めに来て探索した議員もいたという。建て替え工事終了までは10年かかるとみられている。

 会場を移して始まった国会は早速熱い議論の応酬になった。議論の中心はやはり中国通信大手ファーウェイ(華為技術)の副会長兼最高財務責任者(CFO)孟晩舟氏をめぐっての与党自由党政権の対応だった。ジョン・マッカラム前駐中国大使を解任したことでカナダと中国の関係がますます緊張することは間違いなく、野党保守党は自由党政権の外交政策の稚拙さを指摘した。

 さらに、今年が選挙の年となることで、自由党のばら撒き政策を責め、自由党政権が続けば国の借金が増えるばかりか、炭素税の導入で国民の生活も苦しくなると批判している。

 自由党は2015年に政権を取って以降の政策の成果を強調。好調な経済や中間所得層や低所得層を対象とした政策で国民の生活が豊かになってきていることを主張した。

 野党新民主党は党首が国会に議席がないため、存在感を示せないでいる。ジャグミード・シング党首は議席を獲得するため、今年2月に実施される補欠選挙でブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー・サウス選挙区から立候補することを表明している。NDPにとっては、ここが第一関門となる。

 今年はこれから10月21日の投票日まで各党の選挙に向けた動きが加速していく。

 

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