2019年1月31日 第5号
今春に実施が予定されているアルバータ州議会選挙に注目が集まる中、野党連合保守党(UCP)と与党新民主党(NDP)の差が縮まっていることが分かった。
現在、支持率でリードしているのはUCPで48パーセント。NDPは25・1パーセントだった。党首ではUCPジェイソン・ケニー党首を評価するが39・7パーセントで前回調査の45パーセントから下落。NDPレイチェル・ノッテリー州首相を評価するは36・9パーセントで前回の31パーセントから上昇し、ケニー党首とほぼ同じとなった。
その他では、アルバータ党6・1パーセント、自由党4・9パーセントで、その後にグリーン党を含む3党が続いた。まだどの党に投票するか決めていないは10・8パーセントだった。
アルバータ州は保守系が強い州として知られている。天然資源産業との結びつきも強く、長く進歩保守党などの保守系が政権を担ってきたが、2015年の選挙でNDPに政権を譲るという快挙が起きた。その後、保守系2党が統合し連合保守党が誕生した。
NDP政権は連邦自由党政権と歩調を合わせ、気候変動対策として炭素税の導入を決め、環境対策のためにアルバータ州も痛みを伴う改革を行うと推進してきた。2016年には連邦自由党政権がトランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画を承認。NDPにとって追い風となっていたが、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府や先住民族、環境活動家などの反対が強く、裁判所によって同パイプライン計画が工事の一時停止を余儀なくされるとNDPへの風当たりが強くなった。ノッテリー州首相は、ジャスティン・トルドー首相にパイプライン工事再開に向けての措置を取るように訴えているが、トルドー首相はパイプライン建設そのものは進めると主張しているものの、裁判所の決定に従い手続きを進めると語っている。
UCPケニー党首は元連邦保守党政権閣僚経験者。知名度も高く、連邦保守党へのパイプも太い。NDP政権の炭素税導入と連邦政府への弱腰政策がアルバータ州の主要産業を衰退させていると批判を繰り返している。
選挙は今年の5月中に実施される。