2019年1月24日 第4号

 オンタリオ州の男性が、郵便配達人が不在かどうかを確認しないまま、玄関ドアに「ご不在連絡票」をかけていく様子をとらえた動画をインターネット上で公開した。この動画は、男性の予想をはるかに超える注目を集めている。

 この男性はトロント市の北、シムコー湖の南岸に位置する人口4万5千人ほどの町ジョージナに住むクリスさん。彼は千ドル近くかけて防犯カメラシステムを設置したが、その理由の一つは誰かが在宅中にもかかわらず、いつもご不在連絡票が残されていくことにしびれを切らしたからだと、クリスさんはメディアに語っている。

 「家内は育児休暇中だし、誰かがドアをノックすれば犬が吠えるのですぐ気づく。配達を見逃すチャンスは多くないはずだ」とクリスさん。そこで防犯カメラを設置し、配達人が実際に人がいるかどうかをチェックしてからご不在連絡票を残していっているのかを確認することにした。

 そんなクリスさんの家に来た郵便配達人をとらえた動画には、1月14日午後4時5分と時刻が記録されている。家の敷地前の道路に止まった配達車から降りてきた配達人は、紙切れ一枚を握っただけで小走りで玄関先に到着、それをドアノブにかけるやいなや、きびすを返し車に戻って行った。この間、約45秒。配達人が車に乗り込む寸前、家の中から出てきた女性が「ちょっと、ドアをノックもしてないでしょ!」と声をかける。これを聞いた配達人は、誰かが家にいるとは思わなかった、すぐに小包を持ってくると応え、助手席側から中にあった小さな小包を取り、玄関先に戻ってきた。

 受け取りのサインをする女性に対し配達人は「実際のところ(受け取る人がいることが分かってから配達できたので)小包を持ったまま車に戻らずに済んで助かった」と語りかけている。しかしクリスさんにしてみれば、どうして最初から小包を持って玄関に来なかったのか、理解に苦しむ行動だ。自分は送料を払っているのに、荷物を受け取るのにこっちから郵便局に出向かなければならないのか、料金を受け取った分はきっちり仕事をしてもらわなければ困るとクリスさん。彼は、この配達人が解雇されるようなことは望まないが、こうした配達をしている郵便局員には研修が必要だと考え、また彼の仕事ぶりに抗議する意味から、この動画をインターネット上で公開した。

 ところが、その反響はクリスさんの予想をはるかに上回るものだった。動画は先週の段階で30万回以上再生された。またオンライン掲示板でも動画を公開したところ、自分も同じような体験をしたなどのコメントが何百件と寄せられた。

 メディアがカナダポストに問い合わせたところ、この件についてはフォローアップがなされ、同じようなトラブルは起きないはずだと回答している。またオンラインショッピングについて、現在では自宅での手渡し以外にも、玄関先など安全な場所にそのまま置いていってもらったり、郵便局を配達先に指定したりする選択肢も可能になっていることに言及、注文時によく確認して自分に都合のよい配達方法を選ぶよう、呼びかけている。

 

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