2019年1月24日 第4号

 ケベック州モントリオールの高級シニアホームで93歳の女性が凍死しているのが21日発見された。女性はヘレン・ロウリー・ホッテさん。ケベック連合党の元党首ジル・デュセッペ氏の母親であることが分かった。

 警察当局は事件性はないと発表、聴覚障害が要因だったのではないかと説明している。

 警察によると同日午前4時15分に、ロウリー・ホッテさんの暮らす棟ではない棟で火災報知器が作動。ロウリー・ホッテさんのいる棟には関係がなかったため、その棟の入居者は避難する必要がないことが伝えられた。

 しかし、ロウリー・ホッテさんは聴覚が衰えていたため避難の必要がないことを知らずに外に出たのではないかとみられている。このビルでは非常時にはドアのロックは解除されるが、非常ベルが解除されると通常は外から侵入できないように自動的にロックがかかるようになっているという。

 非常ベルを聞いて一度外に出たロウリー・ホッテさんは、ビルに入ろうとすると鍵がかかって入れず、そのまま低体温症で死亡したのではと警察は説明している。警察に女性が倒れているとの一報が入ったのは非常ベルが鳴ってから7時間後だった。

 カナダ環境省によれば、この日のモントリオールはオンタリオ州からケベック州南部を襲った激しい冬の嵐のせいで零下20度まで気温が下がり、体感温度は零下30度だったという。

 今回の訃報にジャスティン・トルドー首相は、デュセッペ氏と家族にお悔やみを申しあげますと語った。

 

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