2018年11月22日 第47号
ノバスコシア州東端ケープブレトンにある石造りの古い教会が、地元有志の努力によって取り壊しの危機を免れることになった。
この教会は、ケープブレトンの中心都市シドニーの北にあるビクトリア・マインズの聖アルフォンサス教会。がっしりとした石造りの建物だが、礼拝に訪れる人の減少と維持費高騰から、同地域を監督するアンティゴニッシュ司教区がこの教会を閉鎖したのは2007年のことで、司教区ではその後取り壊しを検討していた。
しかし103年の長い歴史を持ち、ケープブレトンでも有数の風光明媚な教会と評されることから保存すべきだとして、2015年にメラニー・サンプソンさんらが教会を買い取る活動を開始した。彼女の団体とアンティゴニッシュ司教区は、教会を4万ドルで売買することに合意したものの、様々な書類上の手続きなどで、その実現には5年の歳月が費やされた。教会の土地には2カ所の墓地があり、これを分筆しなければならないなど手続きは煩雑を極めたと、同司教区は取材に答えている。
そして最終的に17日、すべての書類が揃い、晴れてこの教会がサンプソンさんらのグループのものとなった。一時はカナダ国内にある、失われる危険性のある建造物トップ10にもランクインしていた同教会。交渉が長引いた間にも建物の傷みは進んできているが、少なくとも取り壊しの危機からは脱したと、サンプソンさんは安堵の表情を見せる。
これから内外装の修復や電気設備と暖房設備の更新など、やることは山ほどあるとサンプソンさん。将来的には観光や結婚式用教会として活用していきたいと話していた。