2018年11月22日 第47号

 ブリティッシュ・コロンビア州北部、アルバータ州との州境に近い人口2万人ほどの都市、フォートセントジョンの農場で飼育されていたバイソン13頭が、炭疽症で死亡した。

 BC州農業省の発表によると、これらのバイソンはエサ場の土壌に含まれていた炭疽菌の芽胞を摂取したために、同症にかかったと診断された。このエサ場は、その後使用禁止となったほか、同省は家畜に有効な炭疽菌症ワクチンを、病気が発生した農場の他のバイソンに接種した。また炭疽症は、初期の段階でその芽胞を摂取したことが診断できれば、治療によって完治できると説明していた。

 また公衆衛生の関係者が、この菌に接触したと思われる人たちに直接コンタクトを取り、健康状態をチェックしている。炭疽菌は人から人へ感染することはなく、公衆の健康リスクはない。

 炭疽症はカナダ・プレーリーやアルバータ州北部の家畜に発生することがあるほか、アルバータ州のウッド・バッファロー国立公園内にも定着している。炭疽菌の芽胞は、特定の環境下では地中で何年間も生きつづける。

 炭疽症に感染した家畜から、皮膚の傷口を通して人が感染した場合は痛みや発疹などを引き起こすが、抗生物質で完治できる。なお地中の芽胞ではなく、空気中に放出された芽胞が肺に取り込まれると、重篤な肺感染症を引き起こす。

 

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