2018年10月25日 第43号

 ケベック州ケベック市に住むカップルが、すでに自宅の庭に敷いてしまった人工芝の処遇について、市議会と対立している。

 マーチン・ディグナードさんは、ただ単に芝を手入れする手間を省くためだけに、自宅前と裏の庭に人工芝を敷いたわけではない。彼と妻の子供には芝生アレルギーがあるため、芝の手入れは困難が伴っていた。

 施工にかかった費用は8千ドル。それでも歯科技工士のディグナードさんの収入なら、なんとかまかなうことができた。しかし昨年10月に工事が終了した直後、市より人工芝の撤去を求める通知を受け取った。市の条例が、人工芝の施工を禁止しているためだ。ディグナードさんは、この条例の存在をそれまで知らなかった。

 通知には、10月末までに人工芝を撤去しなかった場合、以降撤去が完了するまで1日あたり千ドルかそれ以上の罰金を科すとあった。また人工芝禁止の理由として、その面積分の植生が失われ地表面温度が上昇、最終的にヒートアイランド現象と呼ばれる、都市部の温度が周囲に比べて高くなる現象が引き起こされるためだと、通知に書かれていた。

 さらに、人工芝がリサイクル不可能な素材でできていることも、禁止の理由だと述べている。運動施設以外での人工芝敷設が禁止されているのは、そのためだという。しかし「ラスベガスは、街中人工芝だらけ。フロリダもそう。納得がいかない」とディグナードさんは憤る。

 彼の家の人工芝の施工を担当した業者は、これを撤去し何か別のものに置き換える提案をしているが、ディグナードさんはそうではなく、条例を変更する陳情の準備を始めた。また地元で造園業を営むパトリック・ヒューイさんも、施工経費は高いものの、散水の必要もなく、いつもうつくしい緑を保つ人工芝の人気は高まっていると話している。

 

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