2018年10月18日 第42号

 ブリティッシュ・コロンビア州北部、人口7万4千人ほどの都市プリンスジョージの北13キロメートルほどの地点で9日、天然ガスのパイプラインが爆発、炎上した。

 同パイプラインを所有・運用しているエンブリッジ・パイプライン社は声明を発表し、爆発が起きた場所は人里離れた地区でけが人などは報告されていないことを明らかにした。また同社の作業員が2本の天然ガスパイプラインの減圧を行い、消火活動を行ったことも付け加えていた。

 爆発地点にほど近いクレートリー・テンエ先住民居留区では、爆発時には轟音と共に家が振動し、巨大な火柱とキノコ雲のような雲が立ち上ったのが見えたという。またプリンスジョージ市内の住民も、衝撃波のような轟音を聞いたと取材に話している。

 この爆発を受けて、連邦警察(RCMP)は当初避難命令区域を爆発現場から半径数キロメートルに設定、クレートリー・テンエ居住区の住民ら100人以上が避難することになった。ただ先住民の一人によると、居留区からの避難ルートは地下に埋められたパイプラインの上を通っており、不安を抱えながらの避難だったと取材に語っている。

 その後避難区域は半径1キロメートルに縮小され、ほとんどの住民が帰宅することができた。

 またBC州でガス供給を行う企業フォーティスBCは、この爆発炎上事故によるガスの供給ストップを避けるため、供給先の家庭や企業などに対しガスの使用を可能な限り控えるよう、呼びかけた。同社は州内の約100万顧客にガスを提供しているが、その約7割でガスの供給がストップする恐れがあるとしていた。この呼びかけの結果、10日夕方の時点では使用量が20パーセントほど低下したが、同社は引き続き使用量を抑えるよう求めていた。

 これを受け、BC州レストランおよびフードサービス協会は、その約3000の会員にガス使用量を抑えるよう協力を求めたほか、地方自治体でも公共施設の暖房温度を低めに設定したり、ビクトリア大学のように学内の集中暖房を天然ガスからディーゼル機関に切り替えたりする取り組みが行われた。

 さらにこの影響で、プリンスジョージ市やケネル市、マッケンジー市など製材工場が操業を一時停止した。

 

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