2018年10月11日 第41号

 ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーなどの都市部で、世界最強の猛毒キノコとして知られるタマゴテングタケが、静かに繁殖している。

 BC州疾病対策センターは、これまでにバンクーバーやフレーザーバレー、バンクーバー島の都市部100カ所以上で、『死の傘(death cap)』の異名を持つタマゴテングタケが確認されたことを受け、その繁殖が広まっていることに関する注意情報を出した。

 同センターの薬剤師レイモンド・リーさんによると、毒キノコを誤って摂取し治療が必要になった件数は、6月から8月の3カ月で30件だったが、雨が降り始めた9月には16件と増加している。

 タマゴテングタケは帰化植物で、もともとBC州には存在していなかった。しかし街路樹として持ち込まれてきたシデ、ヨーロッパブナ、ヨーロッパナラ、レッドオーク、ハシバミ、リンデンバウム、ヨーロッパグリなどの根に、その菌が付着していたとみられている。

 バンクーバー菌類学協会の元会長ポール・クローガーさんは、これらの木が植えられた50年前には、根にこんなキノコの菌が付着していたなどとは、知るよしもなかったと取材に答えている。そしてこれらの木が成熟した現在、タマゴテングタケもその成長を開始した。

 タマゴテングタケは、食用のキノコと間違って採取、摂食されることがある。成熟したものはフクロタケ(paddy straw mushroom)に、また成長期のものはオニフスベ(puff ball)に似ている。BC州内でのタマゴテングタケによる死亡事故としては、2016年にバンクーバー島で、これを食べた幼児が死亡した例がある。

 しかし、もともと街路樹などの根から繁殖が始まったことから、クローガーさんは都市部ではキノコを採取しないことで、タマゴテングタケを誤って採る危険性を避けられると指摘している。キノコ狩りは自然林へ入って行い、また地元のキノコに詳しい人やグループとともに採取を行ったり、イベントに参加することも有効だとしている。

 タマゴテングタケの毒は肝臓と腎臓などの細胞を破壊する。初期症状は摂取後6時間から12時間で腹痛や嘔吐、下痢などだが、その後小康状態を経て72時間以内には、劇症肝炎様症状(臓器不全)を引き起こし、臓器移植を行わなければ高確率で死亡する。

 

 

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