2018年10月11日 第41号
アルバータ州エドモントン市郊外の駐車場で先月、南アジア系住民に差別用語を浴びせた女性に、実刑判決が下された。
事件が起こったのは、同市南東にあるアパートの駐車場。駐車スペースの問題から言い争いになったのは、インドからカナダに移住して7年になるラフール・クマーさんと、アンジェリーク・バーフィールド被告(44歳)。
車の運転席のバーフィールド被告が、クマーさんと言い争う様子を2分間にわたって記録した動画には、クマーさんの出身国とは違う南アジアの国の蔑称を使ったり、濃い肌の色を軽蔑する言葉を使ったりしている様子が映されている。さらにクマーさんに対し、出身国に帰れと言い放ったのち、彼の車につばを吐きかけて現場から去っていったという。
人事の専門職についているクマーさんは、この言い争いにとてもいやな思いをしたと、メディアに語っている。一方バーフィールド被告はメディアの取材に対し、自分は差別主義者ではなく、自分の言動には責任を持てると話した上で、自分の行動になんら謝るべきところはないと、付け加えている。
バーフィールド被告は罵詈雑言を用いた騒動を起こした罪と、クマーさんの車につばを吐きかけた罪で9月15日に逮捕されたのち、保釈された。この件を捜査した警察は、バーフィールド被告の言動は駐車スペースの問題から発生したもので、差別的憎悪から発生したものではないとして、ヘイトクライムとしては扱わなかった。しかしエドモントン市警察ヘイトクライム捜査課のゲリー・ウィリッツ巡査部長は、きっかけは別だったとしても、この件はヘイトクライムと呼べる性質のものだったと、取材に語っている。