2018年10月11日 第41号

 カナダ政府は3日、トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画について今年8月の裁判所の判決に上訴しない意向を発表した。記者会見した連邦政府アマルジート・ソーヒ天然資源相は、カナダ政府は裁判所の決定に上訴せず、今回は異なる対策を講じると語った。異なる対策とは、パイプライン建設に関係する117全ての先住民族と話し合いを持つという。

 8月に判決では、自由党政権が先住民族と十分な話し合いの上で合意に至らなかったこと、海洋汚染への影響の調査が不十分だったことを理由に計画の承認を無効にした。

 環境調査については先月ソーヒ天然資源相がカナダエネルギー委員会(NEB)に再調査を指示。22週間以内に結果が報告される予定になっている。

 今回の先住民族との話し合いについては期限を設けていない。ただソーヒ天然資源相は、先住民族が同プロジェクトへの最終決定権を持っているわけではないと強調した。トルドー首相をはじめ、連邦政府は「パイプラインは完成させる」と主張している。

 今回の政府の発表に野党はカナダの天然資源産業の発展を妨げると批判している。

 トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画は、アルバータ州エドモントン近郊からブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の港までオイルサンドを運ぶ現存のパイプラインに沿って新しく追加のパイプラインを建設する事業で、オイルサンドの輸送量を現在の3倍に増加させるという。バーナビー市からはアジアへの輸出を見込んでいる。

 この事業に対し、BC州政府、バーナビー市、バンクーバー市、関係する先住民族、環境保護団体が強く反対している。

 

 

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