2018年9月27日 第39号
オンタリオ州オタワ市近郊で21日、強力な竜巻が2個ほぼ同時刻に発生し、住宅の全半壊や停電など、広範囲に被害を及ぼした。
竜巻の強さを表すために北米で用いられている改良藤田スケールで、EF3(重大な被害をもたらす)に発達した竜巻が発生したのは、同市西隣の人口約千人の町ダンロビン。ここの約60軒の住宅を全半壊させた竜巻はその後東に移動、オタワ川北側に広がる人口22万人超の都市、ガティノー市を直撃した。同市での建物の全半壊は215軒に及んだ。
また同市南の町アーリントン・ウッズでもほぼ同時刻、多少勢力の弱い竜巻が発生した。 これらの竜巻により、住宅の損壊以外にも大きな木が倒されたり、車が吹き飛ばされたりする被害が多発した。またオタワ市一帯では一時17万4千軒以上が停電、約1日たった22日午後でも、7万軒ほどで停電が続いていたほか、完全復旧して全家庭に電力を供給できるようになるまでには、おそらく1週間ほどかかるだろうと、電力会社は取材に語っていた。そのほか少なくとも2人が重傷を負い入院した。
またオタワ―カールトン地区教育委員会とオタワ市カトリックスクール委員会は、24日を休校日としたほか、連邦政府やオタワ市関連のオフィスも、職員を自宅待機させた。
オンタリオ州政府は22日、災害復旧支援プログラムを被災地に適用することを発表した。これにより、竜巻によって財産に被害を受けた個人や中小企業、また非営利団体は、非常事態及び復旧のための支出に対する援助を受ける資格を有することになる。
23日に現地を訪れたダグ・フォードオンタリオ州首相は、組織立った救助活動を行った関係者や地元政治家に感謝の意を示すとともに、州政府も人々が元の生活にいち早く戻れるよう、最大限の努力を惜しまないと語っていた。