2018年9月20日 第38号

 ケベック州での州議会議員選挙が来月に迫っている中、英語によるテレビ党首討論会が開かれた。ケベック州では史上初の出来事で話題になっている。

 背景には英語圏コミュニティを取り入れたい4党の思惑が一致したことにある。

 ケベック州はカナダで唯一、フランス語を公用語としている州。これまでの選挙ではフランス語の重要性とフランス文化の保護、ケベック州の独立などが討論されてきた。

 しかし今回の選挙ではケベック州の独立は重要議題とはならず、カナダ国内でいかにケベック州が重要な位置を占めるかに重点が置かれている。

 主要4党、これまで政権を担ってきた自由党、独立派のケベック党(PQ)、中道右派のCAQ、ケベック連帯(QS)の党首は、英語圏のコミュニティもケベックにとって重要との認識を示し、ケベック州の公用語はフランス語だが英語が外国語という訳ではないと英語圏コミュニティに理解を示す発言が相次いだ。

 英語圏コミュニティは主にモントリオール周辺に集中している。人口密度の高い選挙区での票の獲得に重要との思惑が一致したようだ。

 討論会で最も激しく議論が交わされたのは移民対策。ケベック州ではアメリカからの難民が多く押し寄せ、州を二分する議論に発展している。移民に消極的なCAQが現在、支持率ではトップで過半数を取る勢い。次いで自由党、独立派のPQ、苦戦しているQSと続く。

 カナダ第2の州ケベックの選挙結果が注目されている。選挙は10月1日に実施される。

 

 

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