2018年9月20日 第38号

 冬季オリンピック・パラリンピック2026年大会の招致を目指しているカルガリーオリンピック招致委員会(カルガリー2026)は、11日、カルガリー市議会に五輪開催予算や計画を報告した。当日夜遅くには、カルガリー市議会が賛成多数で招致継続を可決した。

 招致委員会が示した予算は52億3千万ドル。約30億ドルをカナダが負担し、連邦政府、アルバータ州、カルガリー市で分割する。残りはチケット販売やスポンサー料、国際オリンピック委員会(IOC)からの支援で賄うとしている。

 ただ、この試算には疑問の声も上がっている。8年後の開催にもかかわらず、インフレ率が考慮されていないこと、セキュリティ費を6億一千万ドルと低く見積もっていること、カーリング会場が含まれていないことなど、これから予算が膨らむ可能性が大きいことが指摘されている。

 2010年2月に開催されたバンクーバー五輪での費用は約77億ドル。セキュリティ費は約9億ドル。今から8年前に開催された五輪費用と比較してもかなり低い。

 しかも開催都市はカルガリー市の他に近隣のキャンモア市と、ブリティッシュ・コロンビア州ウィスラーも含まれている。バンクーバー五輪で使用したジャンプ台やクロスカントリースキー会場を使用する予定と報告している。

 カルガリー市は今年11月13日に招致の是非を問う住民投票を実施する。その結果によっては招致撤退もあり得るとしている。

 現在2026年五輪には、カルガリーのほか、イタリアのトリノが3都市共同開催で招致を進めているほか、スウェーデンのストックホルムやトルコのエルズルムが興味を示している。意欲を示していた札幌は2026年招致からの撤退を発表した。

 

 

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