2018年9月20日 第38号
連邦議会は17日、夏休みを終え議会を再開した。これから来年の総選挙に向けて自由党政権の政策を発表する絶好の機会となるはずだった議会再開日は、元自由党議員の党替えによって話題をさらわれた形となった。
この日、自由党から保守党へと移ったのはレオナ・アリスレブ議員。国会の後で保守党アンドリュー・シェア党首と並んで記者会見をした同議員は、突然の移党の理由を、自由党政権の経済政策に大きな懸念を感じるからと語った。
カナダが直面している重要な課題について国民に十分な説明を果たしていないと指摘。税制改革、外交政策、貿易関係、不適切な防衛費などを挙げ、保守党へと移る理由となったと語った。
シェア党首は、アリスレブ議員の保守党入りについて週数間前から話し合いをしていたことを明かした。ただこの日、アリスレブ議員自身が議会で自由党側から保守党側の席に移ってくるまでは確定していたことではなかったとも説明した。
そしてアリスレブ議員の入党を歓迎すると語り、「もしレオナのように前回の選挙でジャスティン・トルドーと自由党を支持したが、その後の影響力のないリーダーシップにイライラしたり、怒りを覚えたりするようなら、保守党はいつでも歓迎するし、そういう人を必要としている」と彼女に続くよう呼びかけた。
アリスレブ議員は、2015年総選挙でオンタリオ州オーロラ-オークリッジ-リッチモンドヒル選挙区で出馬し僅差で初当選した。
トルドー首相は今回の移党について、カナダの政治では時々あることで大問題とは捉えていないと平静を装い、「今回の決断が彼女にとっていい結果をもたらすことを願っている」とエールを送った。
これで自由党は今夏ケベック州で実施された補欠選挙で保守党に議席を取られたため、2議席を失ったことになる。ただブリティッシュ・コロンビア州ともう一つのケベック州の選挙区で行われた補欠選挙で元保守党議席を獲得している。
次期総選挙は2019年10月21日に実施される。