2018年8月23日 第34号
オンタリオ州トロント市議会は20日、ダグ・フォード州首相率いる進歩保守党(PC)政権が可決したトロント市議を半減する法案に対して法廷で争うことを、賛成25、反対17で可決した。
動議を提出したトロント市議ジョシュ・マトロウ氏は、「今日、トロント市議会はダグ・フォード州首相のおせっかいな市政介入に対して立ち上がることを決定した」と語った。
フォード州首相は、オンタリオ州選挙で大勝し政権交代を果たした後、選挙戦で約束したさまざま公約を実現してきた。
しかし、トロント市議半減は公約として掲げておらず、政権発足後の7月27日に突然フォード州首相が提案し始めた。そのため、トロント市ジョン・トーリ市長をはじめ、市議の多くが突然の半減案に反発。フォード州首相の独裁的な政権運営を批判した。
それでもPCが過半数を占めるオンタリオ州議会は、今月14日、賛成多数でトロント市議数を現在の47から25議席に削減する案を可決。フォード州首相は、「これで少なくとも2億5千万ドルの費用削減となる」とトロント市民にとっては朗報と説明した。経費削減はPCが最大限に主張する公約でもある。
しかしオンタリオ州では、トロント市をはじめ州全体の地方選挙が、10月22日に実施される予定になっている。すでに選挙に向けた準備も始まっていて、この時期の市議数半減は次期選挙にも影響すると反発する議員や候補者が多い。
フォード州首相は、20日にトロント市以外の市では市議数の変更を行うつもりがないことを明らかにした。
最高裁判所での審理は8月31日に行われる。
フォード政権は、オンタリオ州地方議会制度の変更について、トロント市議半減のほか、ムスコカ、ピール、ヨーク、ナイアガラの地方議会の議長についても、これまでの選挙制から任命制に変更することを発表している。