2018年8月9日 第32号
カナダ統計局は、6月の輸出額が前月比で4・1パーセント増加し507億ドルだったと報告した。500億を超えたのは初めてで過去最高。輸出量も2・1パーセント増加した。輸入額は0・2パーセント減の513億ドル。6月の貿易赤字は、6億2600万ドルと2017年1月以来の低い水準となった。
好調の要因はアメリカへの輸出が増加したためで、前月比で2・5パーセント増の371億ドル。アメリカからの輸入も0・3パーセント増加し329億ドルだった。これによりアメリカに対する貿易黒字は41億ドルとなり、前月の33億ドルから増額した。好調だったのは航空機とエネルギー製品で、全体の輸出額を押し上げた。
一方でアメリカへの輸出で減少したのは、鉄鋼・アルミニウム製品。トランプ政権が6月から実施した鉄鋼25パーセント、アルミニウム10パーセントの高関税の影響が早くも輸出額に表れた。
鉄鋼のアメリカへの輸出は前月比で36・8パーセント減の5億3680万ドル、アルミニウムは7パーセント減の8億5120万ドルだった。ただトランプ政権が鉄鋼・アルミニウムへの高関税を3月から実施すると発表したことから、2月から5月までのアメリカへの輸出が急増していた。カナダは3月の関税を免除されていた。
鉄鋼・アルミニウムの影響があったにもかかわらず、全体的な輸出が過去最高を記録する伸びを示したことから、カナダ銀行が9月5日に発表する金利を引き上げる可能性も出てきたとエコノミストは分析している。
カナダ銀行は先月に金利を0・25パーセント引き上げ、1・25パーセントとした。すでに昨年7月から4回引き上げている。