2018年8月9日 第32号

 オンタリオ州政府は7日、ビール1缶につき最低価格1ドルを復活させると発表した。今月28日までに決定し、9月第1週末のレイバーデーまでに間に合わせるとしている。

 オンタリオ州では2005年から2008年まで、ビール価格設定の最低価格が1ドルだったが、2008年に1・25ドルに引き上げた。それを2008年時点まで引き下げるという。

 対象はアルコール度数5・6パーセント未満の缶・瓶ビールで、レストランでの生ビールやワイン、蒸留酒、サイダーなどは対象外。

 同州ピクトンにあるビール会社で記者会見したダグ・フォード州首相は「州民が待っているこの日がついに来た。PC政権はオンタリオにビール1缶1ドルを復活させる」と述べ、選挙戦での公約を守ると語った。

 最低価格への引き下げはビール会社の選択肢で強制ではない。フォード州首相は、価格を引き下げたビール会社は、期間限定ディスカウントやLCBO(リカー・コントロールボード・オブ・オンタリオ)の広告への掲載や陳列棚を広めに使えるなどの特典があると説明し、ビール会社の価格引き下げを促す対策があると語った。

 現在オンタリオ州にはビール会社260社があるが、今回のオンタリオ州政府の政策がどこまで価格引き下げに貢献するかは未知数。

 小規模の地ビール会社などでは、費用を考えると価格引き下げは現時点では無理との声も聞こえている。

 さらに反対派は、ビール価格が引き下がることでアルコール中毒や飲酒運転などを増加させる可能性があると主張している。

 フォード州首相はこれに対し、オンタリオ州民は自分のアルコール摂取量の限界を知る大人な対応をすると信じている、「オンタリオ州民は自己責任でビールを楽しめる州民だと確信がある」と懸念を一蹴した。

 

 

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