2018年7月19日 第29号
ジャスティン・トルドー首相のユース委員会が、自由党政権のトランスマウンテン・パイプライン買収に反対する意見書を提出していたことが16日に分かった。
意見書にはこの他にも、同パイプライン拡張工事計画に反対してデモを実行している人に対する攻撃的な言葉遣いを和らげることや、軍を出動させての反対デモ隊への攻撃をしないこと、この問題に対しての会議開催と日程の設定などを要望している。また環境保護、先住民族の権利の尊重なども含まれている。
若者たちは、若者の意見を尊重し、環境問題対策で世界をリードすると我々に約束したトルドー首相が約束を破ろうとしている、気候変動の影響を最も受けるのは我々世代だと訴えている。
意見書を公開した委員会の一人は、今回の政府のやり方は「帝国主義的行為」と批判している。
カナダ自由党政権は今年5月29日、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプラインを45億ドルで政府が買収すると発表した。
背景には、2016年に自由党政権が承認した同パイプライン拡張工事計画で、ブリティッシュ・コロンビア州政府や、環境活動家、先住民族など反対派による活動が激しく、工事を予定通りに進められないとして、キンダーモーガン社が今年5月31日を期限に事業の撤退も含めて再検証すると発表したことがある。これに応じる形でカナダ政府が買収を発表。しかしパイプライン拡張工事推進派からも政府の買収を疑問視する声が上がっている。