2018年7月12日 第28号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの橋で3日、トランスマウンテン・パイプラインの拡張計画に反対するため、自然保護団体のメンバーが身を挺して抗議活動を行った。

 この団体はグリーン・ピース・カナダ。12 人がバラード入江に掛かるアイアンワーカーズ・メモリアル橋に登り、うち7人がロープを用い、橋から宙吊りになった。残り5人は橋の鉄骨上に残り、ぶら下がったメンバーのサポートを行っていた。

 この抗議の究極の目的は、入江奥にあるパイプラインの原油積み出し港へのタンカー航行を阻止することだった。パイプライン拡張計画が実現すると、同入江を行き来するタンカーの量は7倍になると予測されている。翌日、連邦警察(RCMP)の緊急対応チームによって宙吊りの一人が下ろされたほか、何人かは自主的に下り、下で待ち構えていた警察のボートに乗り込んだ。警察によると、この抗議活動に関与したメンバーには船舶法に基づく罪と器物損壊の罪が課せられるという。

 パイプライン拡張計画に強い抗議を続けている先住民族スレイ=ワトゥース族のウィル・ジョージさんも、宙吊りになったひとり。彼はハンモックで宙吊りになっている状態でメディアの電話取材に応じ、人々にこのパイプラインを建設してはならないことを伝えるためならば、何でもやると答えている。また彼はバンクーバー中心街にそびえる高層ビルの外壁清掃を18 年間続けてきたので、宙吊りになることには慣れていると付け加えていた。

 またジョージさんは今回の抗議活動に参加することで、息子にリーダーシップの手本となることができ、彼の属する先住民族のパイプライン建設計画に対する確固たる反対意志を表明することもできたと話していた。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。