2018年6月28日 第26号

 ニューファンドランド・ラブラドール州南部の沖合で先週、氷山に取り残されたホッキョクギツネが、漁船によって保護された。

 同州セントルイスの漁師アラン・ラッセルさんは、同漁港から30キロほど北にあるウィリアムズ・ハーバーの沖約7キロのところでカニ漁を行っていた。その時ラッセルさんは、近くに浮いていた小さな氷山の上に何かがいるのに気が付いた。海面からすぐの部分が深くえぐられ、まるで海からはえたシイタケのような格好をした氷山の上にいたのは、ちいさなホッキョクギツネだった。ずぶぬれになったキツネは、上空を舞っていたカモメにつつかれる有様だった。

 ラッセルさんたちは船を寄せキツネをとらえようとしたものの、怖がったキツネは逃げ回るばかり。そこでラッセルさんは船を氷山に体当たりさせ氷山を折り、そのシイタケのカサ状のような部分を海面に沈めた。その後海面に浮かんだキツネを、漁網で釣り上げた。

 キツネは大きなプラスチック・コンテナに入れられたものの、食欲は示さなかった。その後補給のために立ち寄った、さらに30キロほど北にあるピンセンツ・アーム漁港でおがくずを入手、毛が乾きやすくなるようにコンテナに敷き詰められた。さらに漁師らは、このキツネが缶詰めソーセージ(Vienna sausage)なら食べることを発見した。

 その後母港であるウィリアムズ・ハーバーに帰港したアランさんたちは、そこでさらに2〜3日ほどキツネを飼育した後、野生に返した。取材に応じたアランさんによると、その間キツネは漁師たちを恐れることはなく、おとなしく振舞っていたという。

 アランさんやほかの漁師にとって、氷山に乗った動物がこれほど沖合に流されているのを見ることは初めてだったという。おそらくエサを求めて移動していた際に、足元の氷が割れ、沖合に流されだしたのだろう、しかしあの氷山はあと1日ほどしか持たなかっただろうと話し、このキツネは運が良かったと付け加えていた。

 

 

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