2018年6月14日 第24号

 昨年5月、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの砂浜に瀕死のアシカが打ち上げられたが、水生哺乳類救助センターで治療を受け一命をとりとめた。その後アシカは順調に快復してきたものの、再び外海で自活することは不可能とカナダ漁業海洋省が判断、バンクーバー水族館が、このアシカを生涯飼育することとなった。

 セニョール・シンコと名付けられた、推定年齢10歳のカリフォルニア・アシカは発見当時、顔面に2発の小口径銃による銃創を負っていた。失明し、歯も折れていたためエサを食べることができず、衰弱しきっていた。獣医が折れた歯を除去してからはエサを摂取できるようになり、この13か月間で体重が約140キログラム増加した。救助センターによると、セニョール・シンコはおとなしく、盲目ながら職員の声に反応しながら、エサの魚を穏やかに食べているという。

 盲目ゆえ、今回の水族館での生涯飼育が決定されたセニョール・シンコは6日、バンクーバー水族館へと移送された。ここでの生活に慣れながら、徐々に運動や体力増強のプログラムが実施されていく予定。バンクーバー水族館がカリフォルニア・アシカを飼育するのは、これが初めて。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。