2018年5月10日 第19号

 サスカチワン州サスカツーン空港で3日、出発に向けて準備中だった旅客機の内部にアライグマが侵入した。このアライグマを機外に追い出すために、約6時間を要した。

 アライグマが侵入したのは、サスカツーン発トロント行きエアカナダ1126便。エアカナダの説明によると、アライグマは駐機中の機内に空気を送り込むエアーダクトの中に隠れていたという。整備士がこのエアーダクトを駐機場の地面から取り出し、機体下部に接続したところ、アライグマがダクトを駆け上がり機内の空調システムに侵入した。

 この様子を搭乗待合室の窓ごしに見ていた乗客のダミアン・リーさんは取材に対し、ゲートに到着した飛行機から前の便の乗客の荷物が降ろされる頃には、異変に気が付いていたと話している。地上係員らの様子から、彼らが何か予期しない事態に遭遇、どう対処したらいいか手をこまねいているのがわかった、1時間もしないうちに応援の係員や動物保護官などが到着、そして飛行機の外板を外し始めたという。

 リーさんは、最初の1時間ぐらいはめったに見られない光景を楽しんでいたが、3時間もたった頃には皆アライグマへの興味は失せ、次第にまわりは気難しい表情になってきたと、当時の様子を語っている。

 ようやくアライグマが機外に逃げ出したのは、午後8時30分ごろ。出発予定の午後2時50分からすでに5時間半ほどが過ぎていた。最終的に飛行機がトロントに向かって離陸したのは、午後10時頃のことだった。

 サスカツーン空港では昨年夏、1千匹以上のハチが駐機場の飛行機の周りに群がり、地上係員を刺すなどしたため、駆除業者の出動を要請したことがある。このためウェストジェット機の出発に1時間以上の遅れが生じた。

 

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