2018年5月10日 第19号
オンタリオ州で6月に実施される州議会議員選挙を前に、3党の党首による党首討論会が7日、行われた。
参加したのは、現在政権を担っている自由党キャサリーン・ウィン党首、野党第一党で3月に党首となったばかりの進歩保守党(PC)ダグ・フォード党首、そして野党第2党新民主党(NDP)アンドレア・ホーワス党首。各党首とも、自党の政策と現政権批判を展開した。
自由党ウィン党首は、これまでの与党としての16年間の実績と現在の好調な経済基盤を強調した。最近はウィン党首の支持率が急低下し、自由党は苦しい選挙戦を強いられると予測されている。
久しぶりの政権奪取を狙うNDPホーワス党首は、電力会社ハイドロ・ワンの民営化を実施した自由党政権の政策を批判、NDPが政権を取ったなら州政府が買い戻すと主張した。
また、自由党ウィン党首と一緒にフォードPC党首を攻撃。フォード党首が掲げている法人税引き下げ、電気料金引き下げ、3年60億ドルの隠れ予算の捻出、病院での待ち時間短縮、公共交通機関への50億ドルの投資など、これらの政策に必要な資金をどのように工面するのか具体的な方法を示すように迫った。
これに対しフォード党首は、明確には回答せず、自由党政権批判に終始した。フォード党首にとっては、これが初めての党首討論会。専門家は、党首討論会に不慣れな印象は拭えなかった、これによってどれくらいの影響が出るかは未知数と語っている。
一方で、今回の討論会で存在感を示したのはNDPホーワス党首という。自由党に不満を持つ層やフォードPC党首に不安を持つ有権者へのアピールとしては上々の滑り出しとの評価が出ている。
しかし支持率では相変わらずPCがトップを走っている。CBCの調査によると7日の時点で、PC支持が41・8パーセントでトップ、次いで自由党26・2パーセント、NDP25・5パーセントと続く。
PCは3月に党首が交代する前から支持率では自由党を引き離してトップを走り、フォード党首に交代して支持率に変化が現れるかどうかが注目されていたが、現時点では相変わらずトップを維持している。
今後は、この党首討論会がどのように選挙に影響してくるのか、存在感を示したNDPが躍進するのか、不慣れでもPCフォード党首がトップを維持できるのか、ますます関心が高まっている。
オンタリオ州選挙はまだ公示されておらず、今週末に正式に選挙戦に突入すると予定されている。選挙は6月7日に実施される。
今回の党首討論会ではグリーン党マイク・シュレイナー党首が参加できなかった。