2018年4月5日 第14号
『もぐもぐタイム』ではなく、あえて名づけるならば『ごくごくタイム』だろうか。アルバータ州の母親が、出場していたホッケーの試合の休憩時間、ロッカールームで乳児に授乳している画像をインターネット上に投稿し、話題を呼んでいる。
母乳保育をサポートするグループ、ミルキーウェイ授乳サービスのフェイスブック上に、その時の画像を投稿したのは、8カ月になる乳児の母親セラ・スモールさん。画像には、ロッカールームのベンチにスケート靴を履いたまま腰かけているチームメイトの間で、スモールさんがユニフォームを脱ぎ上半身裸で授乳している様子が写っている。
同サービスはこの動画で、いつでもどこでも、必要な時に母乳を与えて問題ないというメッセージを世間の母親たちに発信できると考え、スモールさんの許可を得た上でサイトにアップした。
これに対する反応のほとんどは、好意的なものだった。ある女性は「こういうことが特別に賞賛されたり、特別なことと思われてほしくない。これは極めて自然であたりまえのことなのだから」と書き込んでいた。また自身も大学ホッケーリーグの選手時代にゴールキーパーを勤め、現在は生後3週間になる乳児に母乳を与えている女性も「人生でめぐり逢った中で最高の映像」とコメントしている。
一方この投稿に異を唱える人は、何か建設的なメッセージを発信したいのだったら、女性更衣室内で撮った映像を公開するような品位に欠けることは慎むべきだと指摘している。ただこれについては、授乳サービスが後日、画像に映っていたチームメイトからは一般公開の同意を取り付けていたことを補足している。
スモールさんは自身のフェイスブックで、以前は授乳中は胸が露出しないようにと、周囲の目を気にしていたが、授乳サービスのコンサルタントとの話し合いから、これは誇りに思うべきことであり、恥じるようなものではないと自信をつけたと語っている。
子供の頃からホッケーを続けてきたスモールさん。出産後は体が以前のように動かなくなったことに驚きながらも、この体を誇りに思っていると取材に語っている。彼女は時々、試合に搾乳器を持っていくのを忘れ、試合中に母乳が染み出すハプニングも体験している。そんな時はゲームの合間をぬってせっせと授乳しているという。
さらにスモールさんは、この映像をどんどんネット上で広めてもらい、授乳を当たり前のことにしていきたいと願っている。「母親になることは素晴らしいことで、自分の子供が欲していることに応えられることに、幸せを感じる」と語っていた。