2018年3月22日 第12号

 ノバスコシア州ハリファックス市に住む韓国武道テコンドーの師範が、生徒に体罰を加えたとして、テコンドー連合から国内外の試合への参加を停止させられた。

 この措置に対し、試合に出場予定の教え子やその親からは、勝つためにはコーチが必要だとして、師範を擁護する声が上がっている。

 同市でウー・ヤン・テコンドー・アカデミーを主宰するグランドマスター、ウー・ヨンジャンさんは、体罰と称して生徒の一人を竹の杖で殴ったとして、東海岸テコンドー連合の調査を受けた。ことの発端は、今年1月に開かれたクリスマスパーティー。生徒のロドリゴ・ミーアさんが酒に酔った勢いでウーさんに襲いかかったが、この非礼に対してウーさんは道場を去るか、謝罪して体罰を受け入れるかの選択を迫った。

 「テコンドーの世界では、体罰も容認される」と語るのは、ロドリゴさんの父親ロルフ・ミーアさん。「息子は破門にならないことに感謝し、喜んで体罰を受け入れた。そのことで特にけがをしたわけではないし、何も問題はない」とミーアさん。彼はメディアや連合が大げさに取り上げ、事態があらぬ方向に進んでいると危惧している。しかし連合は、2月に開催された国内テコンドー選手権でのウーさんの態度にも問題があったとして、この件も調査中だ。

 一方ミーアさんは、連合が故意にウーさんをおとしめようと画策していると非難。ミーアさんの16歳の別の息子は来月、チュニジアで開かれる国際大会に出場する予定だが、2カ月も前に起きた体罰を理由に、今さらのように試合参加資格を剥奪するのは、ウーさんがコーチとしての役目を果たせないよう仕組んだとしか思えないと、憤慨している。

 

 

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