2018年3月22日 第12号

 腎不全を患うノバスコシア州の男性が、ネット上で知り合った人物から臓器提供を受けることになった。

 遺伝子疾患から4年前に腎不全となったのは、同州ルーネンバーグに住むロブ・エドワードさん(38歳)。彼には妻のサラさんと、7歳と3歳の男の子がいるが、1年ほど前からは人工透析を受けるようになった。透析直後はよくなる体調も時間とともに悪化、心身ともに疲れ切ってしまう生活を繰り返していた。

 生体腎提供者と巡り合う機会はこれまで2回あったが、いずれもエドワードさんには適合しなかった。

 そこでエドワードさんは提供者をインターネット上で探すことにした。彼がフェイスブックにこのことを書き込むと、何人かの彼の友人が適合テストを受けてみると申し出てくれた。これを見た妻のサラさんは、「たとえ赤の他人であっても、探し求めている人物に巡り合えるはず」と、エドワードさんに書き込みを一般公開するよう勧めた。

 そしてこのメッセージが同州ハリファックス市の地元紙に取り上げられ、ミュージシャン、ジェフ・ケネディーさんの目に留まった。「記事を読んで、自分も適合者の可能性があるのだったら、やらない理由はないと即座に感じた」とケネディーさん。

 エドワードさんもケネディーさんも同じ州に住む30歳代。ケネディーさんは自分自身の姿をエドワードさんだけではなく、妻のサラさんや2人の子供たちにも重ね合わせてみることができたと、取材に語っている。

 彼はエドワードさんにコンタクトを取った後、検査や移植手術の手配などをすすんでしていった。「ケネディーさんが現れてから、事態が目まぐるしく進展した。彼は私の家族に希望をもたらした」とエドワードさん。

 移植の可能性のカギを握る、血液のクロスマッチテストでも良好な結果を得た二人は、ハリファックス市の病院で今週、移植手術を行う予定だ。

 奇遇なことに、ケネディーさんの父親デーブ・カーターさんも3年前、まれな遺伝子疾患から両肺の移植手術を受け、第二の人生を授かっていた。そこには何か運命のようなものが感じられる。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。