2018年3月15日 第11号
オンタリオ州野党進歩保守党(PC)の党首選開票結果が10日に発表され、新党首にダグ・フォード氏が決定した。
フォード氏は元トロント市議で、弟のロブ・フォード氏は前トロント市長。オンタリオ州PC党員としての実績はないが、保守派としてのトロント市での経済政策などでの実績を訴え党首に選ばれた。
PC党首選は、ここまで紆余曲折だった。発端はパトリック・ブラウン前党首の辞任。1月24日に女性2人がブラウン氏からの性的不適切行為を全国ネット放送局CTVで告白し、党から辞任を迫られた。
党はすぐに暫定党首を決定、党首選の準備を始めた。クリスティン・エリオット氏、キャロライン・マルルーニー氏の名前が立候補の可能性が高い人物として上がったが、最初に党首選に名乗りを挙げたのはフォード氏だった。その後、2人も正式に立候補。さらに、タニア・グラニック・アレン氏が立候補し4人での争いとなった。
しかし、そこに前党首ブラウン氏が立候補を表明した。性的不適切行為の事実関係すら明らかになっていないにもかかわらず、PCからも除名されながらの立候補に、党首選を自身の汚名返上の場にしようとしているとの批判が上がった。
それから約1週間後にブラウン氏が立候補を取り下げ4人での党首選に戻った。その後も、オンライン投票での不備や選挙期間の延長申請などさまざまな問題を発生させながらも、当初の予定通り10日の開票にこぎつけた。
結果は3回目の決選投票で、フォード氏とエリオット氏が争い、得票数差は150票以下という接戦だった。当初からこの2人の争いとみられていたが、少数差で負けたエリオット氏が結果に不備があった可能性があるとして調査する意向を示した。
10日の開票は3時には結果が出るはずだったが、7時間遅れで発表された。会場にいた党員はすでに帰宅するよう促され、メディアしか残っていない会場での結果発表となった。
フォード氏は、「党をまた元の軌道に乗せる」と語り、自由党政権を倒すために党が一丸となってこれから選挙に向かって戦うとの姿勢を示した。
オンタリオ州議会選挙は6月7日に予定されている。