2018年2月22日 第8号

 2016年に実施された国勢調査に回答しなかった人に対し、罰金が課せられた。その数は36人で、ブリティッシュ・コロンビア州では6人が、その対象となった。

 この時の国勢調査用紙には簡略版と詳細版があり、総数の25パーセントを占める詳細版では、身体機能や民族性、学歴、職業のほか持ち家や通勤の状況など、多くの質問に答える必要があった。

 国勢調査に回答しないことは関連法に違反する。このために罰金が科せられた36人のうち3人は罰金を支払い、他の12人は国勢調査に回答した。残る21人のうち、BC州に住むダン・ステッフラーさんやボニー・サバドスさんは、罰金刑を不服として裁判所で争っている。

 彼らによると、調査用紙の送付から数カ月たったころ、戸別調査員が自宅を訪れ調査用紙への記入を要求してきたという。ステッフラーさんに届いたのは簡略版だったが、それでも多くの質問項目を理解するために時間が必要だと、彼は調査員に告げた。しかし調査員は、この場で調査用紙を完成させなければ、3カ月以下の禁固刑か1千ドル以下の罰金刑に処せられると告げ、記入を強く迫ったという。ステッフラーさんは最終的に、平行線の会話を切り上げ調査員を追い返した。

 その何カ月か後には、2人の調査員がステッフラーさんの自宅を訪れた。この時にはステッフラーさんは調査用紙を理解し、世帯の人数のような必須項目についてだけ回答し、彼が任意項目だと認識した名前や年齢、性別については回答を拒否。これに対し調査員(一人は警察官のように見えたと、ステッフラーさんは取材に話している)は、前回と同じようにしかるべき刑に処せられると警告してきた。

 これに対しカナダ国勢調査局は、全項目を回答する義務があるとメディアに電子メールで回答している。しかし今年1月、政府はこの刑は犯した法律に対して重すぎるとして、禁固刑を除外、罰金刑も最高で500ドルに減額する法改正を行った。

 国勢調査局によると、2016年の調査時に、約88パーセントの世帯が郵送、またはインターネットで調査用紙への記入を完了している。

 

 

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