2018年2月22日 第8号

 アルバータ州エドモントン市の女性が、追い詰められ観念したひったくり現行犯に、コーヒーをおごることにした。

 先週の昼間、ジョギング中のテス・アバーウシェさんは助けを求める女性の叫び声を聞いた。声の方を見ると、男が通りを逃げていく姿が見えた。アバーウシェさんが追いかけたところ、男は裏道に入って、ゴミ捨てコンテナの陰に隠れた。

 彼女が追い詰めると、男は「悪かった。こんなことは二度とやらない。自分でもなんでやってしまったのかわからない。財布は返す」と言って、アバーウシェさんに財布を返した。

 この男は、女性が路上生活者に小銭を与えようと財布を出したところを目撃、その女性から財布を奪ったものの、アバーウシェさんに追い詰められたのだった。彼女から財布を返してもらった女性は、バレンタインデーのお祝いの言葉とともにアバーウシェさんにハグをした。

 この一件ですっかり後悔の念にさいなまれているように見えた男に対し、アバーウシェさんは携帯カメラで男を撮影したあと、彼をコーヒーショップに連れていきコーヒーをおごった。「相手も人間なんだという態度で接すれば、そういう対応が返ってくるはず」と、取材に答えるアバーウシェさん。多分、追跡劇で体中に放出されたアドレナリンがそうさせた無謀な対応だったが、別の結果にならなかったのは幸運だったと付け加えている。

 

 

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