2018年2月22日 第8号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は19日、アルバータ州政府がBC州産ワインの購入を禁止したことについて、カナダ・フリー・トレード・アグリーメントでの調停を訴えたと発表した。

 カナダ・フリー・トレード・アグリーメントは、それまでは禁止されていた国内州・準州間での商品の自由売買を可能にした合意で、全州・準州が合意した。これにより、それまでは禁止されていたBC州産ワインのBC州以外での販売も可能になった。

 BC州ブルース・ラルストン貿易相はアルバータ州政府のBC州産ワイン購入禁止は、全州・準州が署名したこの合意に反すると主張。これは全ての州に影響するもので、連邦レベルの問題と記者会見で語った。

 BC州政府とアルバータ州政府の間では、トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画を巡って抗争が勃発している。

 きっかけは先月、BC州政府が州内を通るビチューメンの輸送に関して環境基準の強化を適用することを検討していると発表したことだった。

 これにアルバータ州政府が反応。アルバータ州で生産されたビチューメンをBC州バーナビー市まで運ぶトランスマウンテン・パイプラインの拡張工事がこれ以上遅れた場合は、アルバータ州経済と雇用に悪影響を及ぼし、さらに国内全体の経済にも影響すると反論。そして報復措置としてBC州産ワインのアルバータ州への流入を禁止すると発表した。連邦自由党政権は2016年11月に同パイプライン計画を承認している。

 BC州でも前自由党政権がすでに承認している。しかし、昨年のBC州選挙で新民主党(NDP)に政権が交代。NDPはグリーン党の協力を得て政権を実現、NDP、グリーン党ともパイプライン工事の停止を公約として掲げていた。

 ラルストン貿易相は「BC州政府にとって、BC州ワイン産業、BC州ビジネス、雇用を守るために立ち上がることは重要だと考えている」と語っている。

 

 

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