2018年2月22日 第8号

 食用のために、年間約250万匹の犬が屠殺されているという韓国。この状況を改善する活動を行っている保護団体に、冬季五輪大会で活躍したカナダ選手が協力している。

 犬肉を提供するレストランは同国内に多数存在し、例えば五輪大会のアイススケートとホッケー会場がある人口約21万人の都市、江陵(カンヌン)市だけでも、その数は10を超えるという。主要な調理法はスープだが、特に暑さが最も厳しくなるとされる3日間(ボクナル)には、滋養強壮のためとして好まれているという。

 また同国内には、こうした食用のための犬を劣悪な環境で飼育・屠殺する養犬施設が1万7千カ所ほどあるとされているが、世界的な動物福祉団体ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)は、そのような犬たちを救う活動を続けている。養犬施設のオーナーに業種転換のための補助金を支給することで、今までに10軒の施設を閉鎖させている。そして11軒目も、来月いっぱいで閉鎖することになった。養犬業に魅力を感じなくなったというオーナーは、HSIの補助金でキノコ栽培を始めるつもりだと、メディアに語っていた。

 この施設の犬87匹については、今月初めにHSIのスタッフが予防接種を行い、30日の検疫期間を置いたあと10匹程度のグループにまとめてカナダに搬送される予定だ。

 また今回の搬送には、今冬季五輪大会のフィギュアスケート(ペア)で銅メダルを獲得したミーガン・デュアメルさんも一役買っている。大会終了後、彼女は養犬施設からの犬を一匹連れて帰る予定だ。実はデュアメルさん、昨年韓国を訪れた際も、現地の仏教徒が救い出したミニチュア・ダックスフントの里親となり、ムー・テと名付けカナダに連れて帰ってきている。

 夫のブルーノ・マルコッテさんと小さなコンドミニアム暮らしの彼女には、すでに犬2匹と猫1匹がいるため、今回の新しい犬は同居できそうもないが、大きな家に引っ越すまでは両親のところに預かってもらうつもりだと、取材に話していた。

 

 

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