2018年2月15日 第7号

 最近カナダ各地の大学に、いくつもの謎の宅配物が送り届けられており、業者が調査を開始した。

 荷物が届いたのは、カナダの東海岸から西海岸のブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島までのいくつかの大学で、オンラインショッピングサイト大手のアマゾンから、大学の学生自治会宛に送られていた。

 商品は、携帯電話の充電器、睡眠マスクや釣り道具、性的玩具など様々で、中には車のヘッドライトに付ける飾りの、大型まつ毛などもあった。

 こうした宅配物が届き始めたのは、昨年秋頃からだという。荷物のパッケージには送り状が添付されておらず、誰がオーダーしたのか、また誰が送り主なのかが分からない状態になっていた。

 大学自治体側から報告を受けたアマゾンは調査を開始。これら商品をアマゾンのサイト上で販売した出品者は、送り主や発送元を確認していなかったことを突き止め、アマゾンの利用契約に違反したとして同サイトから削除するとともに支払いを停止、当局に通報したとメディアに説明している。

 オンタリオ州北部を管轄する連邦警察(RCMP)は、これらの商品は中国企業による、若者向けマーケティング戦略のものだろうとみている。実際その効果が現れているようで、これまで60個ほどの荷物を受け取ったというノバスコシア州ハリファックス市にあるダルハウジー大学の学生自治会会長のアミーナ・アバワジーさんは、「最近では、これが当たり前のようになってきて、『今週はこんなものが届いた』と話し合うようになった」と、メディアに答えている。

 多くの大学では受け取った商品の扱いに苦慮し、寄付や資金集めのために販売しているという。その一方、BC州ビクトリア市キャムサン・カレッジの学生サービス課のマイケル・グローバーさんのように、ありがたく受け取り、次にどんな商品が来るのか楽しみにしているというところもあった。

 

 

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