2018年2月1日 第5号

 オンタリオ州進歩保守党(PC)パトリック・ブラウン党首が1月25日、党首を辞任した。前夜に放送されたCTVニュースで女性2人がブラウン氏から性的に不適切な行為を受けた経験があると告白。当時10代だった2人の女性は、その時の様子を赤裸々に語った。

 ブラウン党首は緊急記者会見を開き、そのような行為に及んだ事実はないと全面否定。その時は党首を継続する意向を示していたが、翌朝になって辞任を声明で発表した。

 ブラウン氏の辞任表明後、党はすぐに声明を発表し、ブラウン氏には自身の無実を法的に証明する権利があるとしながらも、党本部はブラウン氏が党首では今年実施される選挙は戦えないことを全会一致で合意したと説明した。

 ブラウン氏はオンタリオ州進歩保守党の党首に就任する前は連邦政府保守党議員で、今回の件は連邦議員時代だったと女性は証言している。

 オンタリオ州は今年6月に州議会議員選挙を控えている。14年間続く自由党政権を倒す機会を狙っている野党進歩保守党はここまで世論調査の支持率で与党自由党をリードし、政権交代の可能性も高いだけに、今回の党首辞任には衝撃が走った。

 翌日、PCは、ヴィック・フェデリ議員を暫定党首に全会一致で決定したと発表した。州議会議員選挙に間に合うように「3月の終わりまでには新党首を決定したい」とフェデリ暫定党首は語った。

 そこで早速、党首選に誰が立候補するのか、さまざまな名前が評論家らから挙がっている。

 フェデリ暫定党首がすでに立候補に興味を示している。2015年の党首選にも出馬した経験があり、その時は投票を待たずに撤退し、オンタリオ州議会議員クリスティーン・エリオット氏の支持に回った。

 今回、そのエリオット氏も立候補をするのではとみられている。エリオット氏は、スティーブン・ハーパー保守党政権時代に財務大臣を務め2015年春に逝去したジム・フレアティ氏の妻で、前回はブラウン氏の対抗馬として注目を集めた。

 その他には、オンタリオ州議会議員リサ・マクリード氏、ブライアン・マルローニ元首相の長女で今年の選挙にPCから立候補を予定しているキャロライン・マルローニ氏らの名前が挙がっている。

 現在連邦保守党議員リサ・レイト氏の名前も挙がっていたが、レイト氏はすでに立候補しない意向を表明した。

  PCを支持する評論家の多くは、次期党首は女性がいいのではと解説している。

 

 

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