2018年1月18日 第3号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で16日、北朝鮮の核兵器開発についての対応を検討する外相会議が開催された。

 カナダ・アメリカの共同開催となったこの会議に参加したのは、韓国と国連側として朝鮮戦争に関与した国々、そして日本の20カ国。全会一致で北朝鮮が核兵器開発を断念するよう、より強固な制裁措置を取ることで合意したと発表した。

 アメリカのレックス・ティラーソン国務長官と共同記者会見したカナダのクリスティア・フリーランド外務相は、「我々は現在のような脅威が継続され、さらに悪化していくことを黙って見ているわけにはいかない」と語り、制裁措置が確実に実施されるよう各国が協力しなければならないと続けた。

 ティラーソン国務長官は北朝鮮に対して交渉に応じなければアメリカの軍事行動もあり得ると警告し、「アメリカは北朝鮮の核兵器保有を絶対に許すわけにはいかない。北朝鮮にとっては今が交渉に応じるいい機会だ」と交渉を促した。

 今回の会議の共同開催について、カナダ国内では北朝鮮問題でのカナダの役割についても注目されている。これまでのところカナダ政府は、この日350万ドルをアメリカ国務省のプログラムに提供すると発表してアメリカと足並みを揃えることを強調した以外には積極的にこの問題の解決について行動する姿勢はみせていない。野党新民主党ヘレン・ラバーディア議員は、こんな時こそトルドー政権は軍事力ではなく外交での解決を強調すべきだと語っている。

 また今回の会議については、その意義についても疑問視する声が上がっている。制裁措置強化で全会一致した参加国だが、協力が最も必要となる中国とロシアは招待されていない。両国はこの会議の無意味さを強調したが、ロイターが伝えるところによると、アメリカの東アジア上級外交官スーザン・ソートン氏がバンクーバーから北京を訪問し会議の内容を伝えるほか、ティラーソン国務長官が中国とロシアに伝える予定になっている、とアメリカの関係者の談話を紹介している。

 

 

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