2018年1月11日 第2号
ニューファンドランド・ラブラドール州ディア・レークで2日、雪の深みにはまり身動きが取れなくなったヘラジカを、スノーモービルツアーのライダーたちが発見、救助した。
ライダー7人を率いていたのは、地元でスノーモービル教室を開いているジョナサン・アンステイさん。この日は2週間ぶりに新雪が降り積もっていた。道路から離れて雪原に入って間もなく、一行は雪の上からヘラジカの頭が突き出ているのを見つけた。アンステイさんによれば、現場一帯は1・8メートルほどの積雪で、ヘラジカは雪の下に隠れていた湿地の穴にはまってしまったようだった。
アンステイさんらが見つけてからも、ヘラジカは何度か自力で脱出を試みたが、全く動けなかった。「危機に直面したヘラジカは耳が後ろにぴったりと張りつき、背中の毛が逆立つ。そして盛んに口のまわりを舐め回すが、このヘラジカはまさにその状態で、いかにパニックに陥っていたかが手に取るように分かった」とアンステイさん。
ライダーの何人かがシャベルを取り出し、ヘラジカの不意の動きを警戒して後方に回りこみ、雪をかき分け始めた。またヘラジカも観念したらしく、おとなしくしていたという。やがてヘラジカの後ろに逃げ道が完成、一人がヘラジカにまたがり方向転換するように促した。ヘラジカも足の踏み場を確保できたと分かると、なんとか穴から這い出すことができた。
自由になったあとヘラジカは、しばしの間濡れた体を乾かすかのように、その場にとどまっていた。時々はアンステイさんらの方を見て、感謝の気持ちを伝えているようにも見えたという。
アンステイさんによると、このあたりの原野ではヘラジカが雪にはまっているのを目撃するのも珍しくないという。