2018年1月11日 第2号
カナダ統計局が5日に発表したデータによると、2017年11月の原油輸出量が1日当たり328万バレルと前月比で2・4パーセント減少、2カ月連続で減少したことが明らかになった。
原因はアメリカへの輸出量が減少したためで、326万バレルと前月より約8万バレル減少している。
カナダは世界有数の産油国だが、そのほとんどをアメリカに輸出している。カナダ統計局によれば、アメリカ以外ではイギリスにも2万2500バレル輸出しているとなっている。
一方で輸入量は増加している。総輸入量は1日当たり5万1千バレル増加し63万5千バレル、アメリカからでも12万7千バレル増加して41万3千バレル。アメリカ以外では、11月はサウジアラビア、ナイジェリア、ノルウェーから輸入している。
アメリカ政府はドナルド・トランプ大統領が就任して、トランスカナダ社が手掛けるキーストーンXLパイプライン建設計画を承認。カナダのアルバータ州からアメリカのテキサス州までのパイプライン建設計画で、これが完成すればアメリカへの輸出量は増加すると見込まれている。
しかしカナダ政府はアメリカ以外の輸出先の市場開拓にも力を入れている。特にアジア市場をにらみ、アルバータ州からブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市までのトランス・マウンテンパイプライン拡張計画を承認した。ただBC州での反対が強く、現在のところトランス・マウンテン計画が完成する時期については不透明なままとなっている。
原油を主要産業とするカナダは原油価格によって、為替レートが左右されるが、この日はアメリカの原油価格が0・84パーセント下落し1バレル61・49ドルとなった。しかし同日に発表された雇用状況報告書で失業率が調査を始めて以降、最も低い水準になったため、カナダドルは昨年9月以来の高値となった。