2017年12月14日 第50号
オンタリオ州トロント北部で、学校帰りにスクールバスから降りようとした少女が乗降口から転落し、頭部にけがを負う事故が起きた。
場所はノースヨーク地区のファルスタッフ・アベニュー。11月30日、学校帰りのナディア・シークちゃん(5歳)を迎えに出ていた母親のハリマ・シークさんは、乗降口に姿を現した娘が、次の瞬間に転げ落ちるところを目撃した。
そのまま道路に頭を打ち付けたナディアちゃん、おでこに大きなこぶができたほか、鼻から出血するけがを負った。その時の様子をいとこが撮影した画像は、オンライン上で公開されている。すぐさま娘を抱き上げたシークさんが、何が起こったのか聞いたところ、ナディアちゃんは後ろから誰かに押されたようだったと答えている。
またこの時スクールバスの運転手は、自分には関係がないといった態度で、あらぬ方を見ていた、とシークさんはメディアに語っている。
またシークさんは、学校や教育委員会の対応に不備があり、児童の安全確保に関する基準を改善すべきだと述べている。事故は11月30日に起こったのに、ナディアちゃんが通うメープルリーフ小学校の校長が事故の報告を受けたのは翌週12月4日になってからだった。トロント地区教育委員会は、事故翌日は教員研修日で学校が休みだったため、翌週まで連絡が取れなかったと説明してる。
その後、教育委員会とスクールバスを運営する会社はこの件を正式に傷害事故として扱うこととし、調査を開始した。教育委員会は5日になって、同小学校の5年生がナディアちゃんを後ろから押したことを明らかにした。しかし、この児童に何らかの指導が行われるのかどうかについては、触れなかった。
当時のバス運転手ピーター・キムさんは、自分はこの事故に気がつかなかったとメディアの取材に話している。もし気づいたなら、バスを発進させず、その場で事故の報告をしていただろう、とも付け加えていた。
当のナディアちゃんは事故のショックから立ち直れず、4日は学校を休んだという。