2017年12月14日 第50号

 年の瀬が近づき様々な来年のカレンダーが出回ってきているが、そんな中で発売されたカナダのトルドー首相の壁掛けカレンダーが、物議をかもしている。

 このカレンダーを出版したのは、ファッションやインテリア・デザイン、写真集などの書籍を手掛ける、ニューヨークのリッツォリ社。赤の背景色やピンクのハートなどで飾られた表紙には、スーツ姿のトルドー首相の隣に『私のカナダ人ボーイフレンド』というタイトルが添えられている。バレンタインデーがある2月も、やはりピンク色の背景に、両手でハートマークを作ったトルドー首相に、『ジャスティンは私の思いのすべてを、その両手で受け止めてくれた』というコメントが添えられている。

 オンラインショッピングのサイトの評価では、「以前のスティーブン・ハーパー前首相のカレンダーよりはるかにいい」という好意的なものから、「このカレンダーの紙質は、修理中の車のオイル漏れを受け止めるのに最高だな」という否定的なものまで様々。

 このカレンダーのアイデアは、トルドー首相のニュースを見ていてひらめいたと、リッツォリ社の共同編集者ロブ・パールマンさんはカナダのメディアの取材に答えている。「トルドー首相がどんな内容を話していたかは覚えていないが、彼のかもし出す雰囲気と人気度に気づき、カレンダーを思いついた」と、パールマンさん。

 また彼は、重苦しいニュースが飛び交うこの時代には、こうした息抜きができるコメディチックなカレンダーが必要だと説明している。なお、このカレンダーは、同社の2018年カレンダーのカタログには間に合わず、営業的には出遅れた形となった。それでもトルドー首相の人気度により、小売店はこのカレンダーをどんどん仕入れているという。

 この件について首相広報担当秘書は、コメントを控えている。

 

 

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